バスの運転手を辞めました

バス運転手イラスト 第二種大型自動車免許
スポンサーリンク

バス運転手になるまで

せっかく第二種大型自動車免許を取得してなったバス運転手ですが、残念ながら辞めてしまいました。

第二種大型自動車免許を取得したのが50代なかば。バス会社に入社し4ヶ月弱の研修を受けてバス運転手として乗務を始めました。

お客さんを乗せての安全運転は絶対守らなければいけません。加えてできるだけダイヤ通りの運行をしながらお客さんに対する優しい対応優しい運転をしなければならないのが乗務を始めたころはとても難しく感じました。

それでも半年ほど経つと慣れてきて、安全を確保しながら定時運行や親切なお客さん対応もできるようになりました。

お客さんからお礼の言葉をもらうととても嬉しくて、バス運転手という職業にやり甲斐を感じていました。


バス運転手を辞めた理由

やり甲斐を感じていたのにバス運転手を辞めた理由は、バス会社(あるいはバス業界)の労務制度労務管理に馴染めなかったことです。

私の入ったバス会社は公休(一般の会社でいうところの土日)が年間98日でした。(ちなみに他の民間バス会社は年間公休が104日のところが多いです)
1年間の土曜日と日曜日の日数より少ないのですが、それでもまあ週休2日に近いからいいかと思っていました。

ところが実際は公休日に出勤要請(指示に近い)がけっこうありました。
1年目にちゃんと休めた休日数は70日程度でした。
もちろん上場企業のような休日出勤に対する代休制度はありません。

加えて勤務時間が長いのです。
表面上は1日7.5時間とされていますが、それはハンドルを握っている時間であって、拘束される時間はさらに2~3時間増えます。
拘束時間も一応1時間あたり数百円程度の手当っぽいのがついていますが・・・

さらに渋滞等で遅延が発生したときは、賃金計算上はハンドルを握っているのに握っていないことになったり、休憩時間もつぶれてしまったりということも多々ありました。

一応申請すれば残業としてつく制度があるのですが、実際に申請すると面倒なことが起こったりします。
「君の走り方が遅いんじゃない?」とか「そんな申請するの君だけだよ」といったコメントが返ってくるのです。


バスの事業環境

なぜそのような環境にあるかというと大きく2つの理由があると思います。

1つはバス事業で利益を上げるのが難しいため、人件費を抑えなければいけないことです。
バスは認可事業で、利益のある路線だけを運行するということができないようで、赤字路線も含めて全体で認可を受けるようになっているみたいです。

もう1つは運転手不足です。
実際には大型二種免許を持っている人はたくさんいると思いますが、収入に不満がある人は体がきつくてもトラックの方に流れていきます。
あるいは収入にこだわらない人は休憩を取りやすいタクシー運転手に転向します。

常に運転手がちょっと不足している状態をつくり、休日出勤で対応するという形が何十年も続いているので、今更変えようとする考えがないようです。


そのほかにも細かいところで辞めたくなる理由はたくさんありました。

バスは社会インフラであり、バス運転手はなくてはならない尊い職業だしやり甲斐もあると思いますが、残念ながら働く環境面での魅力はとても少ないです。

これからバス運転手になろうとしている人には水を差すような内容でしたが、参考にしていただければと思います。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました