FXでスプレッドやスワップという用語が出てきます。
どちらも単語の中に「ス」と「ッ」「プ」が入っているので私は時々混同してしまいます。
改めてしっかりおさえておきたいと思います。
スプレッド
スプレッドは日本語で言うと金利差のことです。
証券会社のサイトや取引ツールを見ると、ある通貨を買うときと売るときで値段が異なります。
なぜ売買の価格が異なるかと言うと、この価格差を証券会社の収益とするためです。
たとえば私が1ドル140円でドルを買い、しばらくしてから同じく1ドル140円でドルを売ったとしましょう。
当然私の利益は0ですが、証券会社はスプレッド分だけ利益を得ています。
証券会社のチャートの画面には買い(buy)と売り(sell)が表示されていることが多いですが、グラフはどちらか一方の値段を表示しているようです。
楽天MT4では売り(sell)の値がグラフに表示されていました。(グラフ表示の設定で売りか買いかを選択できるのかどうかはわかりません)
上の図では開始時のレートが買い=140.000円、売り=139.995円ですので、スプレッドは0.005円(=0.5銭)です。
スワップ
スワップの方は本来の仕組みまで理解しようとすると少々(かなり?)難しいです。
FX入門段階では、スワップとは取引する通貨ペアの金利差とだけ理解すればいいと思います。
スワップのイメージ
たとえば上の図では、日本円の金利が1%でアメリカドルの金利が3%である様子を表しています。
証券会社が日本の銀行口座に預けている日本円でアメリカドルを買い、それをアメリカの銀行に預けるイメージですね。
アメリカドルで持っている間は日本より多くの利息がつきますから、買いと売りを同じ値段で取引した場合、売買による利益はゼロですが、利息差の分だけ得をすることになります。
これをスワップ(金利スワップ)と言います。
上の例では金利の高い通貨を買ったあと、金利の低い通貨に戻していますので金利差の利益が出ます。
逆に金利の低い通貨を買ったあと金利の高い通貨に戻す場合は金利差の分だけ損失がでることになります。
金利の高い通貨を売ったあとに買い戻す場合も同様に損失が出ます。
スワップ発生のタイミング
なお金利差は営業日をまたがないと発生しません。
FXは24時間取引されているので、営業日の変わり目が何時になるのかわかりませんよね。
営業日の変わり目をロールオーバーと言い、ニューヨーク市場の終了時間に合わせているようです。
日本時間でいうと朝7時(ニューヨークが夏時間中の場合は朝6時)です。
各証券会社での取引受付がこの時間前後に一時的(10分~20分程度)に止まります。
おそらくそのタイミングでロールオーバーに関する処理を行い、スワップの計算などをしていると思われます。
上の外国為替市場の時間の表は、インターネットで証券会社等のサイトで調べたものをまとめました。
サイトによって微妙に取引時間が異なって表現されていましたので、注意が必要です。
この表では各市場で8:00~18:00を取引時間としています。
本来モスクワ市場というのはありませんが、FXの取引ツールで有名なマーケット・トレーダーは画面に表示される時刻がモスクワの時刻になっていますので、表の一番下に載せました。
スワップの例
USD(米ドル)/JPY(日本円)とTRY(トルコリラ)/JPY(日本円)の場合のスワップの例を見てみましょう。
2022年10月ごろのおおよそのレート、金利で示してます。
ただ日本の政策金利は本来マイナス0.1%なのですが、片方の通貨がマイナスだと混乱しそうですのでここではプラス0.1%としています。
また買い(または売り)のときと反対取引のときで為替レートが変動しない前提です。
アメリカドルの場合、
- ドルを買ってから売りの決済をした場合111.2円の金利差を受け取れる
- ドルを売ってから買いの決済をした場合111.2円の金利差を支払う
ということになります。
トルコリラと日本円の取引ではさらに大きな金利差が発生しますね。
この表では単純に政策金利の差で計算していますが、実際にはこの差額がそのまま受け取れる(または支払う)わけではなく、証券会社ごとに割合が設定されています。
まとめ
今回はスプレッドとスワップについて学びました。
スプレッドは証券会社の手数料の位置づけですね。
スワップは本来リスク回避の手法として用いられるもので金利スワップ、為替スワップ、エクイティスワップなどがあるそうですが、初心者がFX取引をする上では通貨の種類による金利差により利益が損失を受けるという程度の理解でいいと思います。
スワップが損益に影響があることはわかりましたが、
FXで本当に稼ぎたいならスワップポイントは無視して考えるべき
と「世界一やさしいFXの教科書1年生」に書いてありました。
私もいろいろ調べてみてその通りだと思います。
参考サイト
GemForex FXのロールオーバーとは?意味や仕組み、タイミング、スワップポイントとの関係を解説
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