【初心者ノート】放射性炭素年代測定のしくみをわかりやすく図で整理

文化的遺産や化石などの年代を測定するのに「放射性炭素年代測定」という方法があります。

聞いたことはありましたがしくみがよくわかっていませんでしたので、わかりやすく図を使って整理することにしました。

放射性炭素年代測定とは

ウィキペディアによりますと放射性炭素年代測定とは、

自然の生物圏内において放射性同位体である炭素14 (14C) の存在比率が1兆個につき1個のレベルと一定であることを基にした年代測定方法である

だそうです。

ちょっとわかりくいですよね。
整理していきましょう。

私たちのまわりの至るところにある炭素

炭素の原子をイメージしたイラスト画像
この炭素元素の同位体炭素14を測定することで、検査したい物、たとえば竪穴式住居で見つかった柱や、貝塚からの出土品、動植物の化石など有機物(炭素)が発生した年代がわかるそうです。

この発生したというところがポイントです。

炭素を含む物(有機物)の発生

地球上の炭素を含むものを見渡すと、二酸化炭素を除いたほぼすべてが有機物です。
私たち人間やその他の動物、植物はすべて炭素を含む有機物でできています。(カルシウムなどの無機物も含んでいますが)

放射性炭素年代測定を説明するために動植物のイラストを並べたイメージ画像

その有機物の誕生をつきつめていけば、植物の光合成に行きつきます。
たとえば私たち人間の細胞や脂肪は、日々食べている肉や魚、野菜から作られたものです。
牛肉、豚肉などは、それらの動物が植物を食べることでできあがります。
植物の細胞は、光合成で空気中の二酸化炭素を取り込むことで作られます。

この二酸化炭素を取り込むところが有機物の発生であり、その時期を測定するのが放射性炭素年代測定法なのです。

炭素元素の同位体

元素には原子の中に含まれる中性子の数により同位体があることは学校で習いました。

ニュースなどでよく目にする同位体はウラン元素ですね。
ウラン235ウラン238というのを聞いたことがあると思います。

これと同様に炭素にも同位体があります。
自然界に存在する炭素の同位体には、炭素12炭素13炭素14があります。

自然界にある炭素の同位体原子3種類を表現したイラスト画像

それぞれ中性子の数が6個、7個、8個になっています。

炭素12炭素13は放射性がなく安定しています。
安定しているので崩壊する(他の元素に変わる)ことはありません。

炭素14放射性原子で、放射線を放つことで別の物質(原子)に変わり、炭素ではなくなってしまいます。

放射性原子の半減期

放射性原子には半減期というものがあって、炭素14半減期5,730年±40年だそうです。

半減期というのは、たとえば炭素14の原子が100粒あったとすれば、5,730年後に50粒になってしまうということです。

炭素14の半減期を説明したイラスト。
なくなった方の50粒は先ほど書いたように放射線を放ち、窒素(14)という別の元素になります。

放射性炭素年代測定の説明で、炭素14原子が窒素14に変化するアニメーション

炭素14の存在率

先ほど触れたように、炭素14という原子は地球上にある炭素のおよそ1兆分の1しかありません。

炭素14はこんなに少ないのですが、何千年、何万年前と現在を比べてもその割合は変わっていないそうです。
千年前も1兆分の1、1万年前も1兆分の1、今も1兆分の1ということです。

炭素14は放射線を放って減っていくのですが、さきほど書いたように窒素に宇宙からの中性子が当たることにより、また炭素14ができ上がります。

減ったのと同じ分だけ宇宙からの中性子によって作られるので、昔も今も炭素14の割合が変わらないのですね。

年代の測定

これまで説明したことを踏まえて放射性炭素年代測定の方法を整理します。

たとえば縄文時代に作られたであろう竪穴式住居木片が見つかったとします。

当然そこで使用された木材は、そのころ生えていたを使ったに違いありません。
もちろん数年の誤差はあるかもしれません。

そのは、その当時の大気中の二酸化炭素を吸収し、成長しました。
仮に10兆炭素があったとすると、当時は10個炭素14が含まれていたことになります。
木が切られてしまうとそれ以上炭素を取り込むことはなくなります。
ここから時計がスタートします。

そして現在測定した炭素145個(当時の半分)になっていたとすれば、その木が生きていたころから約5,700年が経過したことを示しています。つまり5,700年前の遺跡と判断できるわけですね。

炭素147個であれば2,500年前2個であれば1万年前という判断ができそうです。(だいたいのイメージ値です)

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ノートのまとめ

はじめは放射性物質なんて減り続けるんだから、そんなものが年代測定に使えることが納得できませんでした。

今回調べてみてわかったポイントは、

  • どの年代も地球上に存在する炭素14の割合は同じ
  • 植物が死んで、炭素を取り込まなくなってから、植物に含まれる炭素14が減り始める
  • 動物に含まれる炭素も、おおもとは植物由来である
  • 時間とともに炭素14が減るが、大気の上空で新たに作られる

ということです。

炭素年代測定における炭素と窒素のサイクルアニメーション

簡単に表すと上のアニメーションのようになります。

いかがでしょうか。
イメージをつかんでいただけましたか?

参考

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